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一時的腹部閉鎖(TAC)を達成する

3M™ AbThera™ 治療システムは、外傷や内因性腹部疾患などにおいて、開腹後腹部閉鎖が困難な患者の腹部開放創管理(OAM: open abdominal management)を行う一時的腹部閉鎖(TAC: temporary abdominal closure)専用のシステムです。
腹部臓器を保護し、効果的なドレナージ、炎症の抑制、浮腫の軽減を図り、早期の筋膜閉鎖を目指します。

3M™ AbThera™ Advance Open Abdomen Dressing, Artist Rendering with 3M™ AbThera™ Fenestrated Visceral Protective Layer on open abdomen of person, Illustration, graphic, Application Image, cmyk, jpg, 70-2011-8277-4, PRA-PM-US-03196

腹部開放創管理(OAM: open abdominal management)

一時的な閉腹処置の時間短縮は救命率の向上に寄与します。腹部外傷や敗血症の治療をしている場面においても、当社のソリューションは患者と医療経済の両方に良い結果をもたらします。1  3M™ AbThera™ 治療システムは一時的な腹部閉鎖システムで、腹腔から体液を除去し、創縁同士を引き寄せて、腹腔内臓器を外部環境から隔離・保護しながら一次筋膜閉鎖の達成を促進します。2つの別々の研究で、3M™ AbThera™ 治療システムはBarker式Vacuum packing closure法(VPC法)と比較して、30日および、90日の全死因死亡率が大幅に減少することが実証されました。1,2

開腹手術を受けた患者の20~30%は、一次筋膜閉鎖が達成できません。3
早期に確実な一次閉鎖が実施できない患者は、次のような症状を引き起こす可能性が高くなります:

  • 感染などの合併症および敗血症
  • ICU滞在期間および入院期間の延長
  • 人工呼吸器の持続期間(日数)の延長
  • 急性腎障害
  • 腸管皮膚瘻(EAF)
  • 腹部領域の喪失を伴う筋膜退縮
  • 大きな腹壁瘢痕ヘルニア

3M™ AbThera™ 治療システムの作用機序

3M™ AbThera™ ドレッシングキットは、腹部開放創において、開放創管理を容易にし、早期の筋膜閉鎖を目指すために開発されたドレッシングキットです。1

一次筋膜閉鎖の達成のために、外部の汚染から腹腔内臓器を保護しながら、特殊なデザインの保護レイヤで多方面に陰圧を付加しつつ、腹腔内深部からも効率よく滲出液と感染性老廃物の除去が実施でき、浮腫の軽減を図ります。また、陰圧による腹壁の引き寄せ効果により、筋膜および腹壁の退縮を最小限に抑え、筋膜閉鎖を促します。

腹部閉鎖のケーススタディ

3M™ AbThera™ 治療システムが臨床で果たす役割

外科医が腹部筋膜閉鎖を達成するために3M™ AbThera™ ドレッシングキットを選択する理由をご覧ください。

症例
24歳の女性が、腹部と背部の痛み、めまい、失神寸前の発作を訴えて救急外来を受診しました。発熱はなく、頻脈(140bpm)、低血圧(収縮期血圧60mmHg)でした。身体検査では、左下腹部に圧痛がありました。連続波型の産科用ドプラー超音波検査で、子宮内妊娠初期(妊娠11週)が確認され、胎児心拍数は135bpmでした。白血球増多(18.9%)、好中球数84%-10^9でした。

低血圧のために乳酸リンゲル液を静脈内投与しましたが、頻脈(>120bpm)が続きました。外傷に対する集中的超音波検査(FAST)により、骨盤と右上腹部に遊離液が検出されました。

貧血状態(ヘモグロビン=6.8-g/dl)であったことから、原因不明の腹腔内出血の疑いがあり、一般外科の診察を受けました。腹部コンピューター断層撮影(CTスキャン)では、小腸の拡張したループと、浮腫に一致するびまん性の肥厚、および腹腔内の液体充満が明らかになりました。血行動態の不安定性とCTスキャンを考慮して、診断腹腔鏡検査のために手術室に搬送されました。

Dr. Marc Matthews case study images: Open abdomen placement of 3M™ AbThera™ Advance Open Abdomen Dressing for temporary abdominal closure following removal of necrotic small bowel. AbThera Advance Dressing placement after small bowel resection (A) + patient in supine position (B).

A) 小腸切除後の3M™ AbThera™ Advance ドレッシングキットを装着(仰臥位)
B) 小腸切除後の3M™ AbThera™ Advance ドレッシングキットを装着

Patient data and photos courtesy of Marc R. Matthews, MD, MS, FACS, Associate Director, Arizona Burn Center, Director, Burn Emergency Services Director, Respiratory Care Services, Maricopa Medical Center.

経過

腹腔鏡検査で血性腹水と壊死性小腸ループを確認し、開腹手術に変更されました。小腸は内部ヘルニアの欠損部位を通じて軸捻転を起こしており、腸の捻転解除とともに虚血性小腸300 cmの切除が必要となりました。腸を断続的に残した状態で、一時的閉腹のために3M™ AbThera™ Advance ドレッシングキットが設置されました。術後2日目に、患者は手術室に戻り、3M™ AbThera™ Advance ドレッシングキットの除去、腹腔洗浄、ステープラーによる小腸結腸端々吻合、虫垂切除、経鼻腸チューブの配置、筋膜閉鎖が行われました。患者は入院7日目に退院しました。この症例では、3M™ AbThera™ Advance ドレッシングキットが筋膜閉鎖を促進し、積極的に体液を除去し、内側に張力を与えることでその後の筋膜閉鎖を促進しました。

エキスパートに聞く

腹部開放創マネジメントWEBセミナー

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ピックアップ

外科医が習得すべき腹部救急疾患の治療戦略

*本セミナーは2025年3月20日に開催された第61回日本腹部救急医学会総会ランチョンセミナー7の講演動画です。
*司会および演者の所属・役職は収録時点のものとなります。

【司会】島根大学医学部 Acute Care Surgery 講座 渡部 広明 先生

【演題】外科医が習得すべき腹部救急疾患の治療戦略
【演者】聖隷浜松病院 肝胆膵外科・外傷救急外科 山本 博崇 先生
【内容】
・聖隷浜松病院ACS部門が目指すもの:外科医がACSを学び実践していくには
・OAMの基本と腹部救急疾患におけるOAMの検証
・TAC法の解説と根治的手術・再建術のタイミング
・3M™ AbThera™ 治療システムを用いたOAMの治療成績
・OAMの合併症・閉腹困難症例の対策

【再生時間】約50分

【費用】 無料
※いつでもご登録、お好きな時にご視聴いただけるWEBセミナーです。

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Abstracts

開腹手術の管理と適切な治療戦略の選択に関するこの「Advances in Wound Care」の記事をお読みください。
このレビューでは、開腹手術の概要、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)などの一時的な腹部閉鎖の最新技術、開腹手術の管理に役立つ治療戦略を紹介しています。

以下の方法を確認できます:

  • 一時的な腹部閉鎖の対象となる患者の特定
  • 一時的な閉鎖を達成するための一般的な戦略の実行
  • 患者に適切な治療オプションの選択
  • 感染症を管理し、より良い治癒結果をサポート

 

本モデルは例示を目的としており、実際の個別コスト、節減、臨床結果、削減効果を保証するものではありません。
導入を検討する施設は、本モデルを製品と価格の全体的な評価の参照となる説明としてのみ使用することが推奨されます。

3M™AbThera™治療システム使用方法動画

関連資料

カタログ「3M™ AbThera™ 治療システム」

3M™ AbThera™ ドレッシングキットは、 腹部開放創において、開放創管理を容易にし、 早期の筋膜閉鎖を促進するために開発された ドレッシングキットです。

クイックリファレンスガイド「AbThera™ 治療システム」

AbThera™ 治療システムの使用方法クイックリファレンスガイドです。

診療報酬改定のお知らせ(2024年6月1日より適用)

J003 –3局所陰圧閉鎖処置(腹部開放創)(1日につき)の算定方法の一部を改正する件(令和6年厚生労働省告示第57号)についてのお知らせです。

詳しくは診療報酬改定のお知らせ(腹部開放創用局所陰圧閉鎖キット)をご覧ください。

院内教育・勉強会資料

看護手順の標準化には、知識の標準化が必要です。そのためには、スタッフへの継続的な教育が欠かせません。ソルベンタムでは、院内教育・勉強会などでお使いいただける動画資料をご用意しております。

A nurse and a doctor, review results together on a tablet in a healthcare setting.

関連情報

WEBセミナー

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ケースレポート

創傷ケア、感染管理、周術期管理、医材の滅菌保証などについて、ご施設の取り組みをお伺いしました。

学会講演サマリー

各学会の学術集会等における共催セミナーの内容をまとめました。

よくある質問

製品に関するよくある質問をQ&Aで掲載しています。

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製品の主要なカタログをPDFで閲覧いただけます。

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注意:

当社製品およびそれに関連する治療には特定の適応疾患、禁忌・禁止、警告、使用上の注意事項および安全性情報が適応されます。使用前には、電子添付文書、取扱説明書をご参照ください。
このウェブページは医療従事者向けです。保険算定に関しては、厚生労働省の各種資料をご確認ください。

販売名:ABTHRA ドレッシングキット 高度管理機器 腹部開放創用ドレッシングキット 医療機器承認番号:23000BZX00328000 製造販売元:ケーシーアイ株式会社

References: 


1.Cheatham ML, et al. Prospective Study Examining Clinical Outcomes Associated with a Negative Pressure Wound Therapy System and Barker’s Vacuum Packing Technique. World Journal of Surgery. 2013 Sep;37(9):2018-30.
2.Kirkpatrick AW, Roberts DJ, Faris PD et al. Active Negative Pressure Peritoneal Therapy After Abbreviated Laparotomy: The Intraperitoneal Vacuum Randomized Controlled Trial. Ann Surg 2015;262(1):38-46.
3.Atema JJ, Gans SL, Boermaster MA. Systematic Review and Meta-analysis of the Open Abdomen and Temporary Abdominal Closure Techniques in Non-trauma Patients. World J Surg. 2015;39(4):912-925.