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滅菌不良はあなたの施設でも起こりうる現象です

“滅菌不良”は、ヒューマンエラーや滅菌器の故障等によって実際に起こりうる現象です。“滅菌不良を起こさない”ことよりも、滅菌工程のエラーを早期に発見し、リコールのインパクトを最小化することが重要です。リコールが起きた場合、どのような手順で具体的に何をすればよいのでしょうか。

Technician placing package next to other packages on  trolley

このような経験はありませんか?

技術人員站在滅菌器旁的架子前,手持文件進行對話的場景

記録紙に印字された運転記録がおかしい

Technician holding 3M™ Attest™ Steam Chemical Integrator, Type 5 (with extender) above tray

化学的インジケータ(CI)が変色していない

CSSD technician holding up 3M™ Attest™ Rapid Readout Biological Indicator for Vaporized Hydrogen Peroxide (VH2O2) 1295

生物学的インジケータ(BI)が陽性を示した

滅菌不良はどの施設でも起こりうる現象なのでしょうか

「滅菌保証に関する実態調査報告書4」によると、「滅菌不良によるリコールを経験したか」という問いに対して、平成20年4月から平成21年10月の1年半の期間に34.1%(168施設)が滅菌不良によるリコールを経験1しています。また、リコール件数を把握していた施設は109施設あり、合計451件ものリコールが発生していた(1施設あたり平均3.9件)ことがわかりました。
3施設に1施設の割合でリコール経験があるということになります。

リコール経験がある34..1%

滅菌不良の主な原因1

不適切な包装27%、滅菌機の故障27%、不適切な載積15%、滅菌機の操作ミス6%、BIの不適切な使用方法5%、CIの不適切な使用方法3%、その他17%

滅菌不良の主な原因は、器械の故障とヒューマンエラーであり、どの施設でも起こりうる現象です。
つまり、滅菌不良に伴うリコール(医材の回収)は、あなたの施設に明日起こってもおかしくない、とても身近な出来事なのです。
“滅菌不良を起こさない”ことよりも、滅菌工程のエラーを早期に発見し、リコールのインパクトを最小化することが重要です。

BI陽性発生時に行うリコールの具体的なステップ

BIの使用頻度によって、回収対象となる器材の量は大きく変わります。ここでは例として、月~金に1台の滅菌器で1日に3サイクル稼働している病院のケースを見てみましょう。
週に1回月曜日にBIを使用していて、陽性反応(滅菌エラー)を確認した場合、前回BIが陰性反応を示した前週月曜まで遡りすべての医材を回収する必要があります。

リコールでは様々な関係部門を巻き込み、確認・報告すべきことが多くあります。滅菌不良が起こった時のために、リコールの体制をあらかじめ整えておきましょう。

【典型的なリコールステップ】

1.作業記録を確認する。
2.滅菌器の運転を中止する。
3.院内感染対策チーム/リスクマネージメントチームへ報告する。
4.リコール対象物品を払い出した先の部門へ報告する。
5.前回BIが陰性反応を示した滅菌工程まで遡り、物品回収・再包装・再滅菌をする。
6.リコール対象品を患者に使用していた場合、担当医へ報告する。経過観察などの対応を実施する。
7.BIに陽性反応が出た原因の追究と、滅菌器の修理を行う。
8.リコール報告書の作成と提出をする。

週1回BIを使用して滅菌エラーを確認した場合のリコール例

リコール対策で重要なこと

滅菌不良が起こった時のために、どのような対策をとればよいでしょうか。毎工程BIを使用し、判定後に払い出す運用を行えば、もし滅菌不良が発生してもリコールに発展する可能性は極めて低くなります。

(1)BIの使用頻度を増やし、回収する医材の量をできるだけ減らす

BIの使用頻度を毎工程に増やすと、回収は1サイクル分で済みます。

15.3 日常のモニタリングにおけるBIの使用

(勧告)
15.3.1 同一滅菌器で複数の滅菌サイクルを使用している場合は、滅菌サイクルごとにBIを使用する
15.3.2 各滅菌法におけるBIの使用
(1) 蒸気滅菌用BI
  蒸気滅菌プロセス用に開発されたBIを毎日使用する。好ましくは毎回使用し、BIの判定結果を確認してから既滅菌物の払い出しをおこなう
  インプラント(生体植え込み器具)を滅菌する工程について、BIを毎回使用し、BIの判定結果を確認してから払い出す
  フラッシュ滅菌プロセスについては、フラッシュ滅菌プロセス用に開発されたBIを毎回使用する
(2) EO滅菌用BI
  EO滅菌プロセス用に開発されたBIを毎回使用し、BIの判定結果を確認してから既滅菌物の払い出しをおこなう
(3) 過酸化水素ガスプラズマ滅菌用BI
  過酸化水素ガスプラズマ滅菌プロセス用に開発されたBIを毎回使用し、BIの判定結果を確認してから既滅菌物の払い出しをおこなう
(4) 過酸化水素ガス滅菌用BI
  過酸化水素ガス滅菌プロセス用に開発されたBIを毎回使用し、BIの判定結果を確認してから既滅菌物の払い出しをおこなう
(5) 低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌用BI
  低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌プロセス用に開発されたBIを毎回使用し、BIの判定結果を確認してから既滅菌物の払い出しをおこなう

「滅菌保証に関する実態調査報告書6」によると、高圧蒸気滅菌では83%以上、過酸化水素ガス滅菌では94%以上が1日1回以上BIを使用しています。3

滅菌保証に関する実態調査報告書6を元にしたBI使用頻度のグラフ

     滅菌保証に関する実態調査報告書6をもとに作図

(2)短時間で判定できるBIを導入し、BIの判定後に医材を払い出す

短時間(24分)で判定できるBIを導入すると、医材を払い出す前に滅菌不良を検知できます。

15.3の解説より一部抜粋
一部の滅菌法については、短時間で判定可能なBIが入手可能となっており、回顧的な質保証ではなくBI判定確認後の滅菌物の払い出しを積極的に検討、実践することが望ましい。

「滅菌保証に関する実態調査報告書5」によると、BIの判定後に医材を払い出しているかという問いに対し、高圧蒸気滅菌では30%、過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌では17%がすべての医材でBI判定後払い出しを行っています。5

医材の払い出しタイミンググラフ

滅菌保証に関する実態調査報告書5をもとに作図

リコールの不安を最小にするために

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References:

  1.           小林寛伊ほか, 滅菌保証に関する実態調査報告書4, 医療機器学, 2011,vol.81,p30-41.
  2.           一般社団法人日本医療機器学会刊行「医療現場における滅菌保証ガイドライン2021」p.219
  3.           水谷光ほか, 滅菌保証に関する実態調査報告書6, 医療機器学, 2023, vol.93, No.4, p536
  4.           一般社団法人日本医療機器学会刊行「医療現場における滅菌保証ガイドライン2021」p.220
  5.           小林寛伊ほか, 滅菌保証に関する実態調査報告書5, 医療機器学, 2018,vol.88, No.1, p.82.